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コーヒーの歴史 ~ 世界史におけるコーヒー ~

2. 最初は“胃病の特効薬”だったコーヒー

10世紀初頭、文化の華咲くアラビアの首都バグダッドに、ラーゼスという有名な医師がいました。彼は、コーヒーの効能について非常に良く熟知していたといわれています。野生のコーヒーの乾燥させた種子を「バン」(Bun)、それを煮出した黄褐色の汁を「バンカム」(Bunchum)と呼んで、医療に利用していました。ラーゼスが書いた詳しい臨床記録は歴史上、コーヒーに関する記録の中で最も古い記録といわれ、その中には「バンカムは、刺激的でさっぱりとした味」であると強調され、「胃に効き目がある」とその効能が記されています。また、その1世紀後には、医師であり、哲学者でもあるアビセンナも、コーヒーについて「白濁したものは良くないが、外皮を除いて乾燥させた原料からつくるレモン色の汁は、香りも良く、すぐれた薬効がある」と述べています。このように、当初、コーヒーはあくまで医薬として用いられていました。今のように豆を焙煎して、煮出すようになったのは、13世紀後半からです。一般的に飲料として飲まれるようになるには、長い年月がかかりました。

現在、さまざまな効能が注目されているコーヒーですが、10世紀のアラビアでは薬として使われていたようです。