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コーヒーの歴史 ~ 日本史におけるコーヒー ~

1. 江戸時代の食通も苦手だったコーヒーの焦げ臭さ

日本に初めてコーヒーが入ってきたのは、元禄文化が華咲く江戸時代中頃のことです。長崎の出島で、オランダ人によってもたらされたと考えられています。しかし、当時の日本人にとって、西洋文化の象徴であるコーヒーは全く口に合わなかったようです。当時の食通として知られている大田蜀山人も「焦げくさくて飲めたものではなかった」と書き残しているほど。アラビアで育ち、ヨーロッパで成熟してきたコーヒーは、西洋の肉食文化の中で料理の良きパートナーとして順応していきましたが、農耕文化が中心で淡泊な食生活の日本人にとっては、なじみにくい飲み物だったのでしょう。コーヒーはその伝来以降、少なくとも1世紀半もの間は一般の人々にはほとんど普及しませんでした。

初めてコーヒーを飲んだ日本人のカルチャーショックは、洋食に慣れ親しんだ現代人の味覚とは、全く異なるものだったのかもしれませんね。