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コーヒー基礎知識

From seed to cup ~ 一粒のコーヒーの実から一杯のカップまで ~

第2回 コーヒーの栽培 [2]

南半球のブラジル、コロンビア南部、アフリカのザンビア、ジンバブエ、オセアニアのパプアニューギニアなど、コーヒー生産国の多くの地域は、11~12月に白い花を咲かせ、5~9月が収穫期です。一方、北半球の生産国、中米(グアテマラ等)、エチオピアなどは11月頃からが収穫期。大雑把な目安として、南半球の生産国の収穫期は日本の夏、北半球は冬と記憶しておくと便利です。
コーヒー(アラビカ種)の収穫の約6~8ヶ月前がいわゆる開花期と呼ばれる時期で、ジャスミンにも似た芳しい香りをもつ白い花が咲きます。開花期は雨季であり、コーヒーの花は降雨の後に咲きます。美しい花の命は2、3日と短く、小さな緑の実が現れ、これが成長し、緑~薄緑~薄赤~赤と熟していき、収穫を迎えるわけです。
世界の約30%の生産量を占めるブラジルの場合、開花期(10~12月頃)は旱魃、収穫期(5月~9月頃)は霜害の天候的リスクがあり、この状況によって生産量、コーヒー相場(価格)が大きく左右されるため、コーヒー関係者にとっては重要な時期となります。
開花期に降雨は複数回あるため、同じ樹の枝に、花、緑の実、熟し始めた実、赤い実等異なる状態がみられるのがコーヒーの特徴です。従って異なる熟度の実が一本の枝に付くのが常なのです。赤い実(完熟実)だけを丁寧に摘み取ることが高品質コーヒーを作る基本中の基本なのですが、それがいかに難しいことかは次回詳しくお話いたします。
コーヒーの実の中は、種子が通常2ケ向かいあって入っており(パーチメントといいます)これを取り出して加工していくと生豆(なままめ、きまめと両方の呼び名があります。英語ではGreen beanといい、これは収穫直後の色に起因しています。日本に輸入される時には茶色かかった色へと変化しています)となります。
赤い実(完熟実)はヌルヌルした粘液質(糖分が多く含まれている)が発達し、コーヒーの甘味に大きな影響を与えています。更にそこに包まれた種子の中には風味成分の基となるものが多く含まれているといわれていますが、赤くなっていない未完熟実(完全に熟していない)では、これらが不充分な状態です。従って出来上がったコーヒーの風味には歴然とした差が出てしまいます。

次回は収穫、加工処理についてご紹介していきます。

コーヒーの花
熟度の異なるチェリー