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コーヒー基礎知識

From seed to cup ~ 一粒のコーヒーの実から一杯のカップまで ~

第12回 コーヒーの焙煎 [2]

前回に引き続き焙煎についてお話いたします。
エチオピアの大昔に鉄板上で焙煎する原始的な方式から、今ではコンピューター制御された最新鋭の焙煎機まで発展してきました。様々なタイプの焙煎機がありますが、生豆に熱を伝える機構(伝熱)は、3つしかありません。これはパン、ケーキ、ピザなどでも同じことです。
第1の伝熱方式は、接する物体同士で伝わる伝導熱です。焙煎機で考えると熱いドラムの鉄板に接した生豆に熱が伝わる、または熱い豆同士で熱が伝わるといった接することで熱が伝わる機構です。
第2の伝熱方式は、輻射熱(放射熱)といわれるもので、熱せられた金属は赤外線を放射し、それが熱として豆に伝わるものです。
第3の伝熱方式は、熱対流と呼ばれる熱風による伝熱です。現在ほとんどの焙煎機はこの熱対流を利用しており、その風量と温度をコントロールすることで焙煎が進行していきます。
攪拌機(回転子)または熱風で生豆を攪拌するタイプ、例えばノバ式は高温かつ大量な熱風を使用しますので、焙煎時間は短く、豆は大きく膨化します。風味は、ロースト風味よりもどちらかというと酸味系の香り立ちの良い傾向となります。輻射熱の影響は非常に少ないといわれています。
小型から大型焙煎機まで良く見られるドラム式については、上のタイプに比べ、熱風量が少なく、温度も低めです。しかしドラム金属から発する輻射熱が特有のロースト風味(カラメル風味)を出すといわれています。そして熱風量をダンパー等で調整する工程が加わることで焙煎が進行していきます。(1)ドラムの中に直接熱風を導入する方式(熱風式)、(2)ドラムに炎が垂直に向いており、その付近の熱空気がドラムに導かれる方式(半熱風)、(3)ドラムに穴が空いており、炎が豆に当たる方式(直火)があり、それぞれ長所短所がありますが、一般的には(1)は120kgを越える大型で均一な焙煎を実現できること、(2)は120kg以下で香味のバランスのとれた風味を実現できること、(3)は小型機向きの方式で、豆の持つ特徴をダイレクトに表現できること、が挙げられます。
焙煎機による風味の違いは、伝熱方式の違い、3種の伝熱のバランスによってもたらされていることが考えられます。それに加え、各焙煎機において、焙煎時間、加熱量(熱風量)を変化させることで同じ焙煎機でも風味を変化させることができます。パン焼きやケーキ作り同様にコーヒーの焙煎も実に奥の深いものです。

次回からはしばらくコーヒーの風味についてお話したいと思います。

ドラム式焙煎機