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コーヒー基礎知識

From seed to cup ~ 一粒のコーヒーの実から一杯のカップまで ~

第6回 コーヒーの生産処理 [3] セミウオッシュド方式

セミウオッシュドという言葉を聞いたことがあるかと思いますが、実に曖昧な呼び方で、できれば使用しないほうがよいかと思います。要するに水洗式と非水洗式の中間的な方式を指すのですが、中間的といえるものを詳細に分類すると下記が挙げられます。

(1)パルプド・ナチュラル方式
パルパーでチェリーの皮を剥き、 そのまま乾燥させる方式。
剥ける実は基本的に完熟実(赤い実)なので、未完熟実(完全に赤でない又は緑色の強い実は剥けにくい)との選別が可能となり、非水洗式に比べてより品質の高いコーヒーが生産できます。風味は、水洗と非水洗の良さをあわせ持ちます。

(2)パルプド・ナチュラル・デスムシラージ
パルパーでチェリーの皮を剥き、遠心力を利用したデムシラジナドーラと呼ばれるパーチメントに付着した粘液質を強制的に除去する方法。(1)に比べより洗練された風味となり、水洗式により近い風味を実現します。発酵層、水洗という伝統的な方式に比べ、水使用量を大幅に削減できます。

(3)発酵処理+(2)を組み合わせた方式
発酵処理は、単に粘液質を除去するのみでなく、コーヒー風味を醸成する工程と考えられます。これとデムシラジナドーラを組み合わせることで、発酵時間短縮、水の使用量削減をも実現できます。

(4)チェリーの皮を剥き、発酵させるが、ややヌメリを残して終了する方式。
これも発酵による風味醸成を狙ったものと考えられ、フーリー・ウオッシュドに近い方式です。

近年、生産国における水不足や水質汚染は深刻な問題です。伝統的な発酵層を使用するウオッシュド方式(第5回で紹介)は上記観点からも問題があります。今回紹介した方式は風味の差別化されたコーヒーの生産という観点からも評価でき、これによりユニークな風味をもったコーヒーが出てきています。

次回は乾燥工程についてご説明します。

遠心力を利用し粘液質を
強制的に除去する機械
粘液質が付着したパーチメント
発酵層での発酵処理