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コーヒー基礎知識

From seed to cup ~ 一粒のコーヒーの実から一杯のカップまで ~

第5回 コーヒーの生産処理 [2] ウオッシュド方式

前回までに収穫したチェリーの処理工程まで説明しましたが、少し復習します。処理工程は大きく分けて2つあり、1つはチェリーの皮を剥き、発酵、水洗いをして仕上げていく ウオッシュド(水洗式) と、もう1つは 第4回でお話したチェリーをそのまま乾燥させる ナチュラル(非水洗式、アンウオッシュド) です。

ウオッシュド方式とは、その名の通り、水で洗う方式のこと。現在、複雑化しており、少しわかりにくくなっています。大きくわけると 2 種類あり、

(1)フーリー・ウオッシュド(完全水洗式)
パルピング(皮むき) → 発酵層(桶もあり)で粘液質分解後、水路等で水洗 → 乾燥工程へ

(2)ウオッシュド(水洗式)
パルピング(皮むき) → 川や桶等で水洗 → 乾燥工程へ

(1)は中米各国、東アフリカの農協、中・大規模農園で行われている方式です。発酵工程でパーチメントのヌメリを分解、除去した後、水洗する方式です。皮を剥いた後のパーチメントは、糖分を多く含んだ粘液質といわれるヌメリが付着しており、気候条件にもよりますが、12~48時間水槽で発酵(酵素反応)させることにより分解し、サラサラの状態になっていきます。これを水路などで水洗し、キレイに仕上げています。私たちがよく言うウオッシュドとは、この方式を指しますが、(2)との対比があり、完全水洗式とあえて呼びます。グアテマラ SHB 、タンザニア大規模農園物などはこの方式によるものです。雑味の少ない、きれいな酸味が特徴です。

(2)は主として東アフリカの小規模生産者で行われる方式で、発酵工程をとらない水洗方式です。ヌメリを手や布等で水中除去しますので、除去の度合いが(1)に比べ不充分で、出来上がった生豆はやや黄色がかっています。タンザニアAB通常品などはこの方式によるものです。ナチュラル方式に比べれば、はるかに雑味は少なく、やや熟した果実のような風味が感じられます。小規模生産者が小さなパルピングマシーンでそれぞれ生産処理し、それらが集まってロットが出来てくるため品質のバラツキがどうしても出てしまいます。一般的には(1)に比べると品質は劣ります。

ウオッシュドとは一般的によく使われますが、上記いずれも剥いたパーチメントを水で洗うため、このように呼ばれています。ただし、方法は様々です。

次回はこれらが更に進化したセミウオッシュド方式について紹介します。

水路で水洗を行います(写真はともにエチオピア・イルガチェフ地域)
発酵層での発酵処理