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コーヒー基礎知識

From seed to cup ~ 一粒のコーヒーの実から一杯のカップまで ~

第3回 コーヒーの収穫

日本での新米の季節と同様に9月になるとパプアニューギニアから新豆が到着します。新豆ならではのフレッシュで切れの良い爽やかなコーヒーは美味しいものです。
今回はいよいよコーヒーの収穫です。収穫には大きく分けて、人力による収穫と機械による収穫の2種類があります。
まず人力による収穫ですが、樹の中で赤く完熟した実のみを丁寧に摘み取ることは良質なコーヒーを収穫する上で基本ですが、ピッカーと呼ばれる作業者は、通常、実の重量で賃金を受け取ることになっています。このため赤い実を選別しながら丁寧に摘み取ることは作業効率が低下し、収入的に問題となります(ただし、この部分を金銭的に保証することができればその限りではありません)。
また実が付いている枝の部分に向かって赤く熟していきますので、完熟を見分けるには視覚的に判別が難しく、経験を要します。農園の収穫人の多くは季節労働者ですので、教育の徹底は難しいのが現実です。さらに近年、中米では収穫人の確保が難しくなっています。これは米国などへの出稼ぎの方が、収入が良いという現実があります。
熟練した作業者は、1日に約200kgもの実を収穫するといわれていますが、降り注ぐ日差しのもと山の急な斜面での作業は、手が擦り剥ける過酷な作業です。
続いて機械収穫ですが、ブラジル、ハワイ、オーストラリアで行われています。この方法は平面な台地のみ可能です。ブリッジ状の機械で並列の樹をまたいで進み、内部にプラスチック製の棒がたくさんあり、これを振動させて実を落とし、収穫します。
1台で130人分の仕事をするといわれており、作業効率は絶大ですが、上記手摘みのような選択的収穫は難しいのが現実です。しかしながら近年、樹上は太陽により近く、早く熟する傾向があるため、上部のみ振動させて選択的に収穫する方法などが開発され、より精度が高まってきてはいます。
ハワイは収穫人の人件費が高いため有効でしょうし、ブラジルのNo.1生産量は、機械収穫に支えられているといってもよいでしょう。
いずれにしても、この収穫、また収穫までの選定、除草、防虫管理など手間隙のかかるのがコーヒーの生産です。次回は収穫後の処理工程についてご説明します。

ピッカーによる手摘み作業
収穫機械